非定型うつ病について(その37) | 豊中市 千里中央駅直結の心療内科「杉浦こころのクリニック」

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非定型うつ病について(その37)

2015年01月17日 

皆様、こんにちは。心療内科千里中央駅直結・千里セルシー3階)「杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
【続き→】〖似ている病気、併発しやすい病気〗
●併発しやすい不安障害
非定型うつ病は、ほかのうつ病と比べて精神障害を併発する頻度が高い病気です。特に不安障害がそれで、先に不安障害があって、それをベースに非定型うつ病が発症するケースです。不安障害は、かつては神経症といわれていた病気で、大きく分けて5つの種類があります。①ストレス障害、②全般性不安障害、③強迫性障害、④恐怖症(特定の恐怖症・社交不安障害・広場恐怖)、⑤パニック障害の5つです。このなかで、非定型うつ病にもっとも併発する頻度の高いものはどれかについて、これまで疫学調査や臨床の場での調査が報告されています。いずれも、もっとも多いのが「特定の恐怖症」で、次に「社交不安障害」、次いで「パニック障害」の順となっています。その他、広場恐怖、全般性不安障害などとなっています。
まず「特定の恐怖症」ですが、これは恐怖となる対象はいろいろで、たとえば高所、閉所、虫、動物、嵐、注射など、何でもよいのですが、その人にとって怖いと思う特定の事物や状況に対して、過剰な恐怖を抱き、それを回避しようとする病態をいいます。この特定の恐怖症をもつ人は、非定型うつ病にかぎらず、他の社交不安障害やパニック障害などの不安障害と併発しやすいのが特徴で、受診する時は併発したときに多くみられます。
次に多い「社交不安障害」は、かつて対人恐怖といわれていた病態です。この社交不安障害が非定型うつ病に併発する割合は、疫学調査では29%、臨床データでは40%と非常に高い率になっています。自分の能力や要望が、人から低く評価されているのではないかという恐れがこころの底にあり、人前に出ると強い緊張感に襲われ、人の視線が気になって、あがったり、話せなくなったり、行動できなくなってしまう病気です。この社交不安障害も、自分では気がついていないことが多く、うつ病を発症して病院を受診してから、初めて社交不安障害であることがわかったという事例が多いのです。
また「パニック障害」も、非定型うつ病を高率で併発することがわかっています。臨床調査では20~30%ですが、パニック障害の人の生涯をみると、約60%が非定型うつ病を伴っています。うつ病を併発するパニック障害は、強い不安や恐怖を伴い、長期間にわたる重症例が多いと言われます。このように、不安障害は非定型うつ病を併発することが多いが、パニック障害を除いてその他の不安障害は、非定型うつ病が現れる以前に発症しており、これらを土台にして併発しているのです。

 

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