非定型うつ病について(その33) | 豊中市 千里中央駅直結の心療内科「杉浦こころのクリニック」

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非定型うつ病について(その33)

2015年01月13日 

皆様、こんにちは。心療内科千里中央駅直結・千里セルシー3階)「杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
【続き→】いずれにしても、非定型うつ病は体の病気のように、測定や検査をしたり、X線・CT・MRI・MRA・SPECT・脳波などの画像検査でも確定診断をつけることはできません。確定診断は、専門医が患者様と問診を重ね、臨床経験のなかから判断していきます。また、最近では光トポグラフィーによって、「躁うつ病うつ状態」なのか、「うつ病のうつ状態」なのか「統合失調症によるうつ状態」なのかはある程度鑑別診断出来るようになっています。いろいろな薬や治療法を試みながら、経過観察し、その人に合った治療を行いますが、薬の面では、非定型うつ病にもっとも効果があるとされているモノアミン酸化酵素阻害薬(MAOI)がまだ日本で認可されていないことが、治療を困難にさせている一面でもあります。
非定型うつ病を診断するうえで、より大事なことは、DSM-Ⅳ-TRの診断基準ができて確かに明確にはなりましたが、しかし一方で安易にこの診断基準を用いて、十分な問診も行われないまま、症状の個数だけを満たしたからといって直ちに診断を下すことは、過剰診断になるおそれが十分あります。逆に、症状が1つだけ診断基準を満たさないからといって、疾患を否定して、適切な診断が行われず治療できない状況になることも、避けなければならないことです。

 

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