非定型うつ病について(その24) | 豊中市 千里中央駅直結の心療内科「杉浦こころのクリニック」

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非定型うつ病について(その24)

2015年01月04日 

皆様、こんにちは。心療内科千里中央駅直結・千里セルシー3階)「杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
【続き→】●遺伝
非定型うつ病が、遺伝する病気であるかどうかですが、現在のところ遺伝との関係については解明されておらず、不明です。ただ、家族性という点では、ある一定の傾向があることは、これまでの調査でわかっています。つまり、原因に関係なく、同じ家族に多く発病している傾向が強いということです。確かに、家族であれば、素質や体質、性格などが似ていますし、生活環境や習慣も同じ場合が多いので、他のケースよりも発病率が高くなっているのではないかと考えられます。
2003年に行われたアメリカの疫学調査でも、他のうつ病と比べて、非定型うつ病は家族性発症の率が高いという報告をしています。これによると、非定型うつ病の患者のうち約70%は、両親のいずれかがうつ病であり、60%強の患者においては母親がうつ病、そして約45%の患者においては父親がうつ病であることが伝えられています。さらに、非定型うつ病の家族には非定型うつ病の患者が多く、他のうつ病の家族には非定型うつ病以外のうつ病の人が多いという報告もされています。これは、非定型うつ病とその他のうつ病の病因が異なることを意味していることにもなります。
またある調査報告によると、一卵性双生児では、一人が非定型うつ病になっても、もう一人が非定型うつ病を発症する確率は47.3%と約半分にすぎませんでした。100%でないということは、全く同じ遺伝子を持っていても、半数は発病しないことになります。ただ、家族に非定型うつ病の患者がいる場合は、自分を含め他の家族も発病する可能性があることは知っておく必要があります。遺伝については過剰に心配することはありませんが、うつ病についての知識や、普段の生活においてストレスを溜めないよう心掛けることが大切です。

 

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