2014年12月29日
皆様、こんにちは。心療内科(千里中央駅直結・千里セルシー3階)「杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
【続き→】例えば身体面であれば、自律神経系や免疫系、内分泌系に作用して体調を崩すことになります。精神面においては、イライラしたり不安になったり、気力が低下したり、またうつ状態を招くことにもなります。だからといって、ストレスが全くないのも、心身の緊張感がなくなって、逆によいことではありません。ある一定のストレスは大事ですが、問題はその強さや程度によると同時に、ストレスを受け止める側の抵抗力の強弱にもあります。あの人はストレスに「強い」また「弱い」という言い方をするのもそのためです。うつ病になるかならないかも、ストレスと人体との関係のなかで起きているものと考えられます。
そもそもストレスとは、「こころに受けた刺激によって起こる精神的な緊張」ということになります。正しくは、カナダのセリエ博士のストレス学説によると、刺激そのものをストレッサーといい、それによって引き起こされる体の緊張をストレス反応と分けて呼んでいます。ストレッサーにはいろいろあって、身体的なもの(空腹、痛み、熱など)、心理的なもの(怒り、悲しみなど)、物理的なもの(騒音、寒暖、細菌など)、社会的なもの(仕事、人間関係、経済問題など)さまざまです。つまり、このストレッサーの強弱と、それによって引き起こされるストレス(緊張)の強弱の力関係のなかで、うつ病を始めとする病気が発生しているものと思われます。一般的には、ストレッサーもストレスも含めて「ストレス」と呼んでいます。非定型うつ病の発症も、このストレスが何らかの要因の一つになっていることは避けられないと思います。