心療内科と心身医学(その6) | 豊中市 千里中央駅直結の心療内科「杉浦こころのクリニック」

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心療内科と心身医学(その6)

心療内科 精神科千里中央駅直結医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「心療内科と心身医学」の6回目です。前回に続き、心療内科について詳しく触れたいと思います。

【続き→】心身症に関連した概念として、心身医学(psychosomatic medicine)があります。心身医学は、身体症状・疾患などの身体面だけではなく、その背景にある心理社会的な側面や、脳(こころ)と身体の相互作用(心身相関)をベースにして、心-身を統合的に考察する全人的医学で、デカルト流の精神・身体を明確に区別した二元論的アプローチとは相反するものです。医療としての実践においては、本邦では心療内科、精神科、一般内科をはじめとする幅広い診療科において取り入れられています。世界的にはドイツで誕生し、その後アメリカでは精神科を中心に発展しました。
この心身医学の背景には、Freudによる精神分析理論・力動的精神医学などの、複雑で微妙な人間の心理・行動をひもとく学問、Cannonの緊急反応やホメオスターシスの概念、Selyeのストレス学説、Pavlovの条件反射学、Skinnerのオペラント条件づけといった、脳・精神生理学、学習理論、精神神経内分泌、精神神経免疫などの、こころと身体に関する幅広い学問の統合があります。その上で、この心身医学の勃興の最終的な動機となったのは、現代の医学の専門化・細分化です。専門的に細分化された身体医学は、今日の医学の発展と患者様への恩恵をもたらした半面で、身体偏重・臓器中心などの考え方に偏り、「病気をみて人を診ない」という医学・医療のありかたへの反省をもたらしました。そのことから、心身両面からの全人的・統合的医療の必要性が唱えられるようになりました。さらに、現代のストレス社会において、人々が受ける心理社会的ストレスは日々増大しており、それに伴ったストレス関連疾患心身症が国民的な問題になってきた、という背景もあります。

以上、心療内科千里中央駅杉浦こころのクリニック」(千里ニュータウン千里セルシー3階)の杉浦でした。

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