復職支援(リワーク)(その32) | 豊中市 千里中央駅直結の心療内科「杉浦こころのクリニック」

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復職支援(リワーク)(その32)

2018年04月04日 

千里中央大阪府 豊中市・千里ニュータウン)、心療内科 精神科医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「復職支援リワーク)」の32回目です。引き続き、復職支援(リワーク)について詳しく触れたいと思います。
【続き→】さて、それではこのストレスを解消する三つの「メンタルヘルスのメカニズム」の中で、どれが最も優れたメカニズムなのかを考えてみましょう。
ストレスを跳ね返す(欲求不満耐性)の場合
恐らく「欲求不満耐性が、一番優れたメカニズムではないか」と答える方が多いのではないでしょうか。確かにストレスの原因となる問題があるときに、それを解決したり、何とか処理をすれば、根本的な解決になるので、この方法が有効に思えます。しかし、職場ではすべてが解決できる問題ばかりではありませんし、処理できない難題も山積みにされているのです。つまり、この「欲求不満耐性」というメカニズムは問題が解決できるときには有効なのですが、このメカニズムしか持ち合わせていないと解決できない問題が登場したときに、たちまちストレスが解消できなくなってしまうのです。
例えば、思春期の子供は大人と違い、発想の転換をするほどの人生経験を積んでいませんし、ストレスを発散できるほどのお金や時間を持っていません。だから、何かストレスがかかると欲求不満耐性を用いて我慢して、ストレスを跳ね返すことしかできません。そしてその我慢が限界に達すると、学校に行こうとするとお腹が痛いと訴えたり、それが進むと不登校ひきこもりなどにつながったりしてしまうのです。
ストレスを逃がす(自我防衛機制)の場合
それでは、「自我防衛機制」はどうでしょうか。頭を軟らかくして、物の見方を変えるということなので、ストレスの原因となる問題が起きたときにも、ストレスと認知しないように物の見方を変えてみれば良いわけです。もし、上司に怒られたとしても、「期待されているから怒られるのだな」と前向きに考えられれば、ストレスにはなりません。しかし、このメカニズムの最大の欠点は、すぐにそのような考え方ができるようになるわけではないという点なのです。考え方がどうしても悲観的になってしまう方に、「前向きに考えよう」と助言して、明日から考え方を前向きにしてもらえるのであればあまり苦労はしません。多くの方がなかなか前向きに考えられないから苦労しているのです。
ストレスを発散させる(カタルシス)
最後に「カタルシス」はどうでしょうか。ストレスの原因となる問題が発生したときに、自分の趣味をしたり、友人に愚痴を言ったりしながらストレスを発散していく方法ですから、確かに気持ち的には少し楽になれそうです。しかし、この方法では根本的な問題の解決はなされませんし、実際に仕事が忙しくなってしまうと趣味や友人と過ごす時間がなかなか持つことができなく、このメカニズムが使えなくなってしまうことが問題点です。
つまり、この三つの「メンタルヘルスのメカニズム」は、どれが一番優れているというわけではなく、どれか一つのメカニズムを身につけていれば良いというわけでもありません。場面に応じて最適なメカニズムを使い分けられるようにトレーニングしておくことが重要なのです。
以上、千里中央駅直結千里ライフサイエンスセンタービル16階・豊中市心療内科杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。

 

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