心療内科と心身症(その14) | 豊中市 千里中央駅直結の心療内科「杉浦こころのクリニック」

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心療内科と心身症(その14)

2015年11月11日 

皆様、こんばんは。心療内科 精神科千里中央駅千里ニュータウン医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「心療内科と心身症」の14回目です。引き続き、心療内科について詳しく触れたいと思います。
【続き→】平成8年(1996年)に『心療内科』の標榜が認められ、現代社会のストレスから生じるさまざまなメンタルヘルス疾患を治療する専門科として認知されるようになりました。
人間は、誰しも家庭、職場、学校などでの人間関係、親子の葛藤、経済問題、将来への不安などに悩み、葛藤、悲しみ、憂い怒りなどさまざまな心理的な問題に突き当たります。私たちの体はそれらの心理社会的ストレスに微妙に反応し、さまざまな身体症状が出現してきます。
軽い内は肩や首のこり、めまい頭痛食欲不振不眠症などの症状ですが、それが解決されないまま進行すると気管支喘息、過敏性腸症候群、高血圧、糖尿病、胃潰瘍などといった病的な状態にまで発展します。
心身症に罹りやすい人は、性格面で次のような傾向があると言われています。
まず一般的に、周りに気を遣いすぎて頼まれるとイヤとは言えない、というタイプの人が多いようです。そして、高い理想に向かってひたむきに突き進むタイプ、自分にも他人にも同様に厳しいタイプ、やると決めたら徹底的にやらないと気がすまないタイプ、毎日の日課などの決め事は何があっても変えないタイプ、他人に頼まれると自分の事は後回しにしてしまうタイプ、感情を表現するのが苦手なタイプ、体調の変化に鈍感なタイプ、などです。
このタイプの人には、自分の感情や身体の感覚に鈍感、感情を表現することが難しい、自己の内面へ眼を向けることが苦手、といった特徴があります。感情への気づきや表現が乏しいと、抑圧された感情が内面にたまりやすくなり、徐々に身体症状化することになります。
「全て順調です」「問題はありません」などと言いながら説明できない身体的症状が継続している人達の背景には、この様な病態が隠れていることがあります。こんな場合は感情を少しでも表出できるようサポートすることが大切となります。メカニズムとして、不安や不満などの感情を意識的に認識し表出する代わりに、身体で表現してしまうのではないかと考えられています。
心療内科はこれら、心理社会的背景を有するメンタルヘルス疾患に対し、心理的側面からのアプローチを含めた治療を行っております。
心理面へのアプローチが必要とされるときは、臨床心理士などのこころの専門家との共同診療体制を組むこともあります。専門的心理療法としては、カウンセリング、交流分析(人間関係や自我状態の歪みから生じるストレスの修正)、自律訓練法(リラクゼーションを通して心身の調整をはかる)、認知行動療法(行動を規定する要因を探り、認知の歪みを修正し正しいストレスの対処法を身につける)などがあり、ケースによって適用されます。
なかなか一般的な治療では良くならないことが多く、最近の社会ではこのような『心身症』が増加しつつあり、こころの健康(メンタルヘルス)が重要視されるようになってきました。
以上、心療内科千里中央駅直結千里セルシー3階「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。

 

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